The three most common types

三大認知症について

三大認知症とは、「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」です。
認知症全体の約9割を占めていると言われています。
認知症の7割を占めるアルツハイマー型認知症は、脳内に蓄積されたアミロイドβやタウタンパクなどの物質により、脳の神経細胞にダメージを受けて起こります。
また、記憶障害や判断力障害をはじめ、抑うつ、意欲低下、怒りやすくなるなどの症状が顕著に出ることも多いです。
その次に多いのが血管性認知症で、約2割を占めています。
脳卒中によって脳の血管が詰まる、または破れることによって特定の部位に血液が回らなくなり、脳の神経細胞が損傷を受けることで起こる認知症です。
認知機能障害が部分的に現れるほか、手足のまひ、うまく話せないなどの構音障害が現れやすく血管性認知症は、「まだら認知症」とも呼ばれます。
3番目に多いレビー小体型認知症は、全体の4%を占めている認知症です。脳内の広い範囲にαシヌクレインという物質が蓄積していき、レビー小体をつくって脳の神経細胞を死滅させていくことで起こります。

アルツハイマー病

認知症の原因として最もよくみられ、60歳以上の高年齢者に発病します。アルツハイマー病は脳の神 経細胞がゆっくりと減っていく病気で、徐々に知的な能力、記憶力、学習や会話の能力が衰え、やがて 人格が変化し判断ができなくなっていきます。

血管性認知症

多発性脳梗塞により認知症が現れるものです。知的な能力は、脳梗塞の発作が繰り返される度に進行するのが特徴です。通常、手足の麻痺、言語障害、視野障害など脳梗塞による身体の障害がみられます。

レビー小体型認知症

認知症に加えて、手足の振るえ、こわばり、動作が遅いなどのパーキンソン症状がみられる病気です。しばしば幻視、居ないはずの人や動物が見えることを訴えます。脳の神経細胞にレビー小体と呼ばれる異常なタンパク質が沈着することからこの名前が付いています。

前頭側頭葉変性症

異常な行動や人格の変化が目立ちます。記憶力の低下も現れてきます。ピック病と診断される認知症 はこの中に含まれます。大脳の前頭葉と側頭葉に限局した脳萎縮がみられることからこの名前がありま す。

認知症の種類と男女別比較とその特徴

※表は左右にスクロールして確認することができます。

認知症の種類 性別 症状の特徴
アルツハイマー型認知症 女性に多い
  • 最近のことを忘れる
  • 判断力が低下する
  • 認知症であることを認めない傾向がある
血管性認知症 男性に多い
  • 認知障害にムラがある(まだら認知)
  • 感情をコントロールできない(感情失禁)
レビー小体型認知症 男性に多い
  • 幻視や錯視がある
  • 手が震える
  • すくみ足などのパーキンソン症状

若年性認知症

若年性認知症は65歳未満で発症する認知症のことです。原因疾患としては、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症で2/3を占めます。また仕事でミスなどが支障をきたすことで、退職しなければいけないケースも少なくありません。近年のデータでは10万人あたりに50人〜60人となります。